現在、普及が進むコロナワクチン。医療従事者の中にも、打ちたくないという人も一定数いてると思います。もし、今後もワクチンは打ちたくない!と考えている人が面接でその旨を伝えた際、面接官はそれを理由に採用を見送るということは可能なのでしょうか?顧問弁護士に聞いてみました。

結論としてはグレー。
ご存知の通り、
面接では就職差別になるような質問などは禁止されています。
例えば・・・
どこの宗教ですか?
どこの政治団体を支持していますか?
お父さんとお母さんはどこの出身ですか?
何歳までに結婚してこどもを産みたいですか?
などなど。
身分や出身地、性別などを聞き出すことにより、応募者の本来の適性や能力と関係のないことを基準とすることは、不合理な選考であるとされ、禁止されております。
でも、ワクチンとなると・・・話は別みたいで。
採用しないことの合理性。
ワクチンを接種しているからダメ。ワクチンを接種してないからダメ。ということで即就職差別に繋がるか?となれば、判断しにくい部分があるようです。
現在、日本全国でコロナワクチン接種がどんどん進んでいます。高齢者や医療従事者の先行接種に始まり、一般の方でも予約ができる状態になってきました。
これは、
ワクチンを打つことで、感染拡大を少しでも防ぎ、感染したとしても重症化を防ぐという目的のため、行われていることですよね?
ワクチンの本当の効果やそのエビデンスについては一旦置いておき、
ワクチン接種が広まっている世の中の流れや状況については、一般常識と言っても過言ではなさそうです。
となると、企業や病院であったり採用面接を行なっている組織からすると、ワクチン接種を職員に推奨をしていくことで、社内での感染者発生や、クラスター発生のリスクを少しでも軽減する狙いが当然あるものと想像できます。
たとえ自覚症状のないような軽症者であっても、「コロナ感染者が出た!」「クラスターが起こった!」というだけで、その企業や病院は活動がストップしてしまったり、部分的な麻痺が起こり得ます。その影響で、売上が何千万何億円と損失が出たらどうなってしまうか・・・
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経営者や採用担当者は考えただけでゾッとするかもしれません。
このゾッとする気持ちや不安や心配は理解できますか?
その気持ちは、多くの方にとって理解することができるだろう、、、
だから「ワクチンを打たない人を採用しない」ということにも、単なる差別ではなくて、ある一定の合理性がある、と社会通念上認められる可能性が高いというのが法的な見解のようです。
打たないと厳しいかも?
さて、今後ワクチンを打たないと転職や就職はできないのでしょうか?
打たないから解雇というのは、不当解雇になると別COLUMNでもお伝えしておりますが、今回のような採用のシーンにおいては、
求職者と求人者の雇用契約が合意に達していない、、というのも1つの大きなポイントですね。
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ワクチンを打たないことには当然リスクがあります。
でも、ワクチンを打つことにも当然リスクがあるはず。
つまりは、ワクチンを接種することにも、ワクチンを接種しないことにも一定の合理性は認められるはず。
いずれにせよリスクは存在し、そういった諸々のリスクを頭に入れ、転職をどうするのか。採用をどうするのか。
契約前の段階であれば、求職者にも、求人者にも、法的に強く拘束されることなく意思決定ができる、、というのが今回の結論です。
となると、、ですよ。
現実的にはどうなるかなぁ?
ワクチン打ちました!という求職者。
ワクチンは打ちません!という求職者。
2名同時に面接に来た場合、どっちを採用するか?となれば、特に医療福祉関係の職場であれば、どっちが多くなってくるかは、なんとなく予想できますね。。
うん、むずかしい。いや、いろんな意味で。
≪今回のコラム寄稿者≫
YU/SHERPA代表コンサルタント
自動車、IT、美容、金融業界のマーケティングに
精通し、29歳で医療系人材業界へ。その後、独立。
戦略的な提案で法人と個人から信頼を得る、
日本でもレアなMBA/FP保有キャリアアドバイザー。
一男一女を持ち、学生から既婚者の悩みに
共感できる、パンケーキ好きのアラフォー。
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