紹介会社を利用して採用をやっている会社なんて、それだけお金を払わないと人も来ない、採用もできないようなイケてない会社?一般的にはこんな風なイメージを持っている方も多いと思いますが、紹介会社を利用して採用している企業に対して好意的なイメージを持っている方も一定数います。それも転職を検討している求職者に。今日はそんなお話です。
紹介会社を使わざるを得ない状況。
特に医療福祉業界では、紹介会社を使って採用をしているところは多いと思います。(もちろん一切使っていないところもあります)
病院だってそう。介護施設も、クリニックも、訪問看護ステーションや、保育園も。
これは人手不足だから、という単純な一般的イメージとも合致しますが、もっと深いところで言うと、施設基準があるからそれを満たさないといけないんですよね。
要は、人員を満たさないと国からお金がもらえないんです。
言い方は悪いですが、優秀な人じゃなくてもいいんです。資格を持っていて、働いてくれる方なら誰でもいい。とりあえず期日までに採用ができて施設基準さえ満たすことができれば・・・(そう思っている方も少なからずいます)
本当は採用したくないけど、採用基準とは程遠い人を採用してしまった。
本当は紹介会社を使いたくないけど、泣く泣く手数料で100万円支払った。
そんな状況になっている医療福祉関係の事業者も多いのではないかと思います。
だからこそ、ミスマッチが起きやすい悪循環な構造になっているのも頷けます。
そんな状況だからこそ、紹介会社なんて使わずに自己応募のみで採用ができているところは、定着率が良かったり、ブランディングができていたり、人を採用できるほどの魅力がある。
逆に、紹介会社を使っているところは、業者を使わないと何もできないイケてない職場だ。そう思う方も少なからずいますし、こう思う気持ちはとてもよくわかるものです。
紹介会社をうまく使うのが本当の優良企業?
とはいえ、少数ではありますが、逆の意見もあります。
それは、
紹介会社を使っていないところは嫌だという意見。紹介会社も使う余裕のない会社は、おそらく危ないだろうと。
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ん??どういうことってなりますよね?
普通はそう思うはず。何を言ってるんだ?と。(笑)
もっともっと紐解いていくと、紹介会社を利用すると、紹介会社経由で面接をした方を採用した場合、紹介手数料がかかります。おおよそ想定年収の20%という契約になっていることが多いですから、想定年収500万円の人が転職したとなると、ざっと100万円でしょうか。
この100万円が採用にかかる費用なわけです。
正社員で働く看護師をタダで採用できれば、それはもう最高かもしれませんが、この100万円って高いと思いますか?
ちなみにですが、これは完全成果報酬で100万円です。
いつまでに、こんな条件で、こんな人を、何人ぐらい採用したい!と事業者が紹介会社にオーダーを出し、応募があったら書類選考を行い、書類選考を通過した人のみ面接で対面。1回の面接で採否を決めてもいいし、2回やっても、3回やっても、意思決定ができるまで何回やっても面接を構いません。
自分たちが「この人を採用したい!」と意思決定できるまでのサポートを、紹介会社が行い、"採用”が決まり”入社”に至った場合のみ、成功報酬で手数料がかかるのです。
全く知名度がなかったり、知名度はあっても間違ったブラックなイメージを持たれて応募する気持ちもなかったり、ホームページが驚くほどダサかったり、面接が信じられない下手くそだったり、採用を行ううえで逆風だらけの状況を全部ひっくり返すための仕事を、採用が決まるまでは紹介会社のエージェントが全部無料で行うわけです。
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さあ、もう一度問います。
この採用費用。100万円は紹介会社に支払うのが勿体無い、、と思うほど、事業主にとって高い費用でしょうか?
もし、これをコスパが良い!と捉え、どんどん積極的に採用を行い、売上拡大により、手数料なんてペイし、利益を出していくことが可能であれば?そこから生まれる利益があるからこそ、もっと成果報酬で採用ができることを前向きに検討できるとすれば?
10年やって出した答え。
私は、なんだかんだ人材紹介という仕事を、会社員の時代を含め10年やってきました。経営者になってからは、値決めも含め悩んだこともいっぱいあります。実際に、自分の会社で経営をして、いろんなことにお金がかかるという大変さも、社員が辞めていくことも経験し、いろんな人の立場がわかってはいるつもりです。(つもりね。。。)
さて、だからこそ自分自身の考えも述べたいと思います。
紹介会社を使わずに、自分が採用したいと思った時に、採用したいと思える人を、採用したいと思った人数だけ、タダで採用できるというのは、もう究極的に理想です。これができれば、会社経営のユートピアです。
でもね。現実問題として、やっぱりそこはまだまだ難しいです。
だからこそ、そのしんどい部分を紹介会社に外注しているんです。しかも、完全成果報酬で。これはこれで一定の価値や意義があります。採用という目標が達成された時のみ、費用が発生する完全成果報酬だからこそ、ある意味では優しいんです。
まあ、確かに100万円という数字だけ見たら高いと感じるかもしれません。
でも、認知もされてなかった求人を求職者様に初めて知らせて、求人の魅力だけではなく、課題やデメリットも語り、作成するのも億劫な応募書類を作成してもらい、これまた億劫な面接に来てもらい、無事に面接をして、”採用”できた時だけ、コストがかかる。
そう考えたら、紹介会社って、超良心的じゃない?って話。
もちろん使わずに採用できたらそれが一番だけど、紹介会社が無理にゴリ押ししているわけでも、詐欺をしているわけでも、ボッタクリをしているわけでもない。
ってなわけで。。
逆の意見を持っている求職者の言葉を借りると以下のことが出てくるんです。
・そんな、完全成果報酬のコストすらケチる会社ってどうなん?
・完全成果報酬の手数料も払えないって経済的にどうなん?
・100万円も払えない会社って、そもそも自分のボーナスも心配なんですけど?
そう思う人がいる、割といるいうこと。
実際、私が担当した求職者の方でも、一部ではありますが、ハッキリとそのように持論を持たれている方もいます。言ってる内容は実体験からも納得できるので、決して否定もしません(笑)
ただ、紹介会社を一切使わなくても、お金もたくさんあって、定着率もいい、マジの優良企業はありますからね。
さて、いかがでしたでしょうか?
紹介会社を使っている求人と、そうでない求人。
これまでになんとなく持たれていたイメージはどうなりました?
まあ、とりあえず相談してみようかな、と思った方はお気軽にご相談くださいませ。紹介会社を利用している背景も含めて、求人のご紹介はさせていただきますので。
(関連記事/紹介会社経由の応募と、自己応募。どっちが内定が出やすい!?)
紹介会社を使ってる、使ってないだけで、会社の良し悪しなんて、完全にはわかりませんよ!というお話でございました。
≪今回のコラム寄稿者≫
YU/SHERPA代表コンサルタント
自動車、IT、美容、金融業界のマーケティングに
精通し、29歳で医療系人材業界へ。その後、独立。
戦略的な提案で法人と個人から信頼を得る、
日本でもレアなMBA/FP保有キャリアアドバイザー。
一男一女を持ち、学生から既婚者の悩みに
共感できる、パンケーキ好きのアラフォー。