一般企業へ転職したいという看護師さんからの転職相談は多いのですが、ほとんどの方が今回挙げる3つのポイントを全て満たしていなくて、希望の企業に手が届かない、、ということがあります。いつか一般企業へ、と思っている看護師様は今からしっかり準備しておいてくださいね。
1. 短期離職を避けること
一般企業は、採用する人材が長期的に働く意思を持っていることを重視します。
よって、短期離職した過去があると、明確に懸念事項の1つになります。
特に、看護師の場合は、資格を持っているという強みがある一方で、いつでもどこでも働けると思い、短期離職しがちな人も多いのが現実としてあります。ここは本当に注意してくださいね。一般企業は、全く採用基準が異なりますので。一般企業の人事は、医療機関は色々と厳しい現場だから、短期離職してしまっても仕方ないよね、、なんて見逃してくれるほど甘くはないのです。
書類選考の段階で、転職歴が短期であった場合や転職理由が不明確だと、まず通過しにくくなります。
書類選考基準は一般公開されているわけではありませんが、我々のような転職エージェントには、厳密に入社から6ヶ月未満はNG、1年未満はNGなど明確に伝えてくることがあります。(関連記事/早期離職についても、履歴書に記入しないといけませんか?)
いつかは一般企業にということを含めて、自分の理想のキャリアを形成してくためには、短期離職は極力避けるようにしましょう。
もちろん、倒産だったり会社都合の離職などもあるので、その辺は短期離職として見做されることはありませんが、ミスマッチや、聞いていた話と違う、なんていうよくある言い訳も、自分の責任もあるでしょ?というジャッジをされるのでね。
2. SPIの準備をすること
多くの企業では
採用過程でSPI(総合適性検査)が実施されます。
このテストは、論理的思考力や数的処理能力、性格適性などを測るため、看護師としてはあまり馴染みのない内容かもしれません。しかし、SPIの準備を怠ると、結果として選考に不利になる可能性が高いです。
特に、数的推理や論理的思考を問われる部分では、普段から看護師として身につけた問題解決能力や論理的思考を活かすことができますが、出題形式や問題内容に慣れておくことは大切です。過去問や模擬試験を活用して、試験の形式に慣れ、時間配分や解答スピードを向上させましょう。
中小零細企業などではSPIは導入されていないケースもありますが、
上場企業や大手企業であれば(給与面、福利厚生、業務内容などを考慮すると、看護師さんが、この会社を受けたいです!となる会社は、圧倒的に上場企業や大手企業ばかりです)基本的には導入されていますので、事前準備がマストです。
たまに、書類選考が受かってから準備に取り掛かる人がいますが、現職で仕事を続けながら1-2週間の間で、一定数の基準をクリアするレベルまで持っていける方は、あまりいません。(決して、高得点が必要なわけではありませんが足切りラインはあります)
ここは、どんな企業を受けるにしても、一般企業へ転職する際には待ち受けている書類選考の次の関門になりますので、しっかりと準備しておいてくださいね。
3. 定量的な視点を持って仕事をすること
看護師として培ったスキルは、企業でも大いに活かせますが、
一般企業では「定量的な成果」が特に重視されます。
看護師としての仕事は、患者のケアを中心に多くの業務がありますが、それらを定量的に示すことが重要です。例えば、患者満足度の向上や業務改善、感染症予防の成果、患者の回復率向上など、数値で示せる成果があると、企業側に対して自分の業務成果を具体的に証明することができます。
(関連記事/『看護師が一般企業に転職。最大のネックを教えて』とChat GPTに聞いてみたら、その回答に驚愕。)
企業では、売上や業務効率、コスト削減など、数値で測れる成果が重要視されます。看護師としての仕事でも、例えば「患者一人あたりのケア時間」「効率化を図った業務の改善案」など、定量的に表現できる成果を整理しておくことが求められます。
自分の看護師としての経験を振り返り、数値で表せる成果や改善例をまとめておくと、面接で非常に有効です。定量的な視点を持つことで、企業の求めるスキルにマッチする自分をアピールできます。
これは、企業視点で考えてみると、営業職なり、企画職でも、未経験の分野で入社してきても、自分の頭でしっかりと考えて、手を動かし、自走しながら、数字を作っていける、利益に貢献できる、その再現性を感じてもらえるかどうかは、選考における肝となり、ここがクリアすることが最も重要です。
しかし、面接の前になって”定量的に自分の仕事の成果や取り組み”を、急に絞り出そうとしても、なかなか難しいのです。
(関連記事/看護師が一般企業の面接に挑戦。一番、後悔するミスとは?)
だからこそ、現職で、常に意識を持って業務に取り掛かる。意識が変わることで、気付きが増え、動きも変わり、結果も変わる。この好循環にしておくことで、一般企業での面接も、全く違うコミュニケーションになり、評価も変わってきます。
ぜひ、日頃からご自身の意識改革をしておいてくださいね!
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いかがでしたでしょうか?
特に内容的には難しいことではないかもしれませんが、わかってはいても、なかなか難しいというところかなと思います。
特に、短期離職が多いとそれだけで選択肢が少なくなります。少ない選択肢の中で、SPIで足切りもされてしまい、なんとかクリアしても、面接で語れる実績や経験がなければ、厳しい評価になるでしょう。
全部、裏を返してみると、いかに重要かがわかります。まだ転職活動は少し先になるのだとしても、上記は意識して準備しておいた方が絶対に良いと思います。
一般企業への転職をお考えであれば、準備をしっかりして、ご相談ください。
≪今回のコラム寄稿者≫
YU/SHERPA代表コンサルタント
自動車、IT、美容、金融業界のマーケティングに
精通し、29歳で医療系人材業界へ。その後、独立。
戦略的な提案で法人と個人から信頼を得る、
日本でもレアなMBA/FP保有キャリアアドバイザー。
一男一女を持ち、学生から既婚者の悩みに
共感できる、パンケーキ好きのアラフォー。