先日、ご紹介いただきました看護師様がたまたま連続でOPE室での経験が豊富な正看護師様でした。皆さん、病棟もしくはICUでの勤務を希望してますが、現在の職場では配置転換も難しいとのことで、転職を考えているけど、上手く転職活動が進まないということでした。その時にお話させていただいた現状と、方法が・・・

特殊なポジション。
病院の中でも看護師さんが活躍する場は、色々とありますが、その中でもOPE室というの少し特殊なポジションになります。この特殊さゆえに、転職が上手くいくケースもあれば、難しくなるケースもあります。
今回、ご相談いただいたのが、
いずれもOPE室での経験が豊富な看護師様ですが、みなさん病棟やICUなどへ配属を希望しての転職相談でした。
ご紹介において、間に入っていた方が看護師ではなく、すべて一般の方でしたので、今回のケースの状況と、解決方法をたとえ話で各々に同じお話をお伝えさせていただいたところ、メチャクチャわかりやすい!という感想をいただいたので、こちらでもシェアさせていただきます。
以下がお話の内容です。
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私『OPE室というのは、なかなか特殊なポジションなんです。
サッカーでいうなら、GK(ゴールキーパー)でしょう。
些細なミスが重大な結果に結びつく緊張感あるポジションでありながら、そのポジションをしっかりとこなせる看護師さんは、そうチームにもいませんし、他のフィールドプレーヤーに比べて、人数も違います。求められるスキルも、普段チームへ関わる時間とかメニューも変わってきます。』
紹介者『なるほど。なんとなくわかります。』
私『あくまで、喩えですが、共通点はありますよね。
例えば、
このGKが他のチームへ移籍したい。しかも、フォワードや、ミッドフィルダーで、となればどうでしょうか?
仮に、
鹿島アントラーズのGKが、フィールドプレーヤーをしたいからと言って、横浜マリノスの中盤のポジションにいきなりレギュラーで移籍することは現実的に可能でしょうか?』
紹介者『いや、まず無理だと思います。そう考えるとOPE室から、病棟を希望して転職するということはかなり厳しいのでしょうか?』
即戦力もしくは新人。
私『このGKが、過去にフィールドプレーヤーの経験が豊富にあり、即戦力として活躍が期待できるのであれば、受け入れ先チームも前向きに検討するかもしれませんが、トップチームであればあるほど、難しくなるというのが、一般論でもイメージがつくかと思います。』
紹介者『トップチームであれば難しくなるというのはどういうことでしょうか?』
私『今回の相談者の場合、
大阪・兵庫でも屈指の高度医療機関となる急性期の病院に在籍しています。これと同じようなレベルの医療機関へ移籍するとなると、こういった医療機関の場合は採用力もありますので、同じような時期にそのポジションで即戦力となる中途採用や、学生から上がってくる新卒などを検討している可能性が高いのです。要は、ここよりも採りたいと思われるかどうか、なんです』
紹介者『なるほど。病院に限らず、サッカーチームでも同じですし、一般企業にも言えることですよね。』
私『そういうことになります。なので、GKからGKということであれば、移籍(転職)もスムーズになる場合が多いのですが、未経験のポジションなどで移籍(転職)となると、そういった壁が立ちはだかります。
特に、
看護師さんの場合は、待遇などの雇用条件は下げたくないという思いを持ちつつ、移籍先には、未経験の自分に対しての教育体制も求めている場合が多いので、これも採用側にとっては一つのコスト要因になります』
紹介者『では、今回のケースだとどうすれば、本人の希望を叶えることができるのでしょうか?』
急がば回れ。
私『幸い、サッカーチームと違うのは、
病院には看護師配置基準というものがありますので、即戦力ではなくても採りたいというニーズは出てくるかと思います。先ほど挙げた例に戻りますが、例えばJ1レベルのチームでの移籍は厳しかったとしても、J2やJ3のチームであれば、フィールドプレーヤーとして獲得してくれるケースも出てくる可能性は高まります。
ただ、
やはり環境も違いますし、待遇も違いますので、前職に比べてギャップを感じる場合は少なくないと思います。これを覚悟のうえ、飛び込めるかどうかが、ポイントになるでしょう。そこで、まずは経験を積むことによって、拓かれる道も出てくるでしょう。』
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紹介者『なるほど。ものすごく現実的な話ですよね。逆に一般病棟にいた人が、OPE室に行きたいとなった場合も、同じような形になるのでしょうか?』
私『はい。おっしゃる通りです。基本的には、OPE室も経験が問われますし、新卒の学生を除いて、未経験の方を躊躇いなくどんどん採用しているような病院は皆無といっても過言ではないと思います。あったとしたら、なかなか怖いです。(笑)』
紹介者『今回のようなケースの場合は、どのようにすればいいのでしょうか?』
私『もちろん、
最優先すべきはご本人が今後キャリアをどうしていきたいかというプランです。
病棟や、ICUなどで経験をしっかりと積んでいきたいということであれば、上記の背景を考慮したうえで、覚悟を持ち、幅広く案件を模索していくことが選択肢の一つになるでしょうし。
また、やはりOPE室や、そのほかご自身が積んでこられた経験の部分をもっと極めていくということであれば、今の職場に残るか、その経験を生かしてもっとステップアップできる環境へ転職をするか、こちらも非常に有益な選択肢の一つになるかと思います。
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いずれにせよ、
ご本人の意向だけではどうにもならず、受け入れ先の医療機関の事情にもよりますので、ご相談いただいた場合は、しっかりとサポートさせていただければなと思います。この病院はこの時期に、求人を出しやすい、とかも傾向としてはありますので。』
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≪今回のコラム寄稿者≫
YU/SHERPA代表コンサルタント
自動車、IT、美容、金融業界のマーケティングに
精通し、29歳で医療系人材業界へ。その後、独立。
戦略的な提案で法人と個人から信頼を得る、
日本でもレアなMBA/FP保有キャリアアドバイザー。
一男一女を持ち、学生から既婚者の悩みに
共感できる、パンケーキ好きのアラサー。