急性期の病院に就職すれば、何でもできる看護師になれる!というイメージを持たれることも多いですが、実は療養や在宅看護では、求められるスキルが違うために、落とし穴があります。さて、特に看護学生さんに読んでほしい今回のコラムの内容は・・・

まずは急性期という考え方が一般的だが・・
看護師専門のファイナンシャルプランナーとして、私自身が看護学生の就活相談ボランティアを何年か継続してやらせていただいたり、前職においても看護師さんのキャリア相談もさせていただいた中で、印象的だったことが1つあります。
今も昔も、
看護師としてのキャリアの始めは急性期の総合病院で働くという事が、割と業界的には一般的だと思うのですが、先日お話伺った看護師さんは新卒から当時では珍しいリハビリ専門の病院で、10年以上勤務され、その後在宅の道に進まれたそうです。
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その看護師さん曰く、新卒の時にそういった急性期以外の病院へ行くことも、もちろん周りからの反対もあったそうですが(特に教員の方から)、リハビリ分野はとてもやりがいがあったことや、また勤めていた病院もとても色々な症例も看れてやりがいがあり、実際には勤務していて非常に充実していたそうです。
ただ、その後在宅への道に進んでからも今までの知識もすごく活かされ、良かったとは思っていた一方で、自分の中でずっと引っかかっていたのは、
自分自身がほぼ急性期の経験がないということ。(特に精神科や、他専門領域で経験を積まれていた看護師さんにあるかもしれません)
確かに言われみたら、私自身もそう思うのも理解できますし、今でも多くの看護学生は急性期にいきたい!出来れば、救命へ!災害医療へ!最先端医療へ!という子が多いです。
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しかし、今の日本は少子高齢化なので、リハビリや在宅の領域で経験を積むことも、私自身は胸を張れる経歴だなと思ってお聞きしておりました。
とはいえ、ご本人はそれがずっと頭にあったようでしたが、色々なタイミングが重なり、あるキッカケもあり、大震災の災害ボランティアに参加されたそうです。
始めは、
医療職として急性期の経験のない自分に本当に何か出来ることがあるのか?と思って現地に入られたそうなんですが、現実は全く違ったそうです。
DMATが活躍する災害現場で。
災害の現地というと、DMAT等がトリアージを行い、初期治療を行うスペシャリストの方々が、フォーカスされがちですが、一つ落とし穴があったそうです。
DMATの場合、救命がどうしてもメインスキルになってしまうという事もあり、処置後の在宅復帰等の観点でのケア等が行き届いておらず、褥瘡が出来ていたり、そのまま寝たきりになる危険性がある、と今回の看護師様はご自身のキャリアから感じていたようです。
そういった現実を目の当たりにしたその看護師さんは、今までの知識、経験を活かしてフル回転で動かれたそうです。
その時に始めて、自分の経験はこういった災害の現場でも役に立つ!
無駄なキャリアなんかない!と改めて思われたそうです。
よく置かれた場所で花を咲かせなさいなんて言葉がありますが、私はこの看護師さんが今まで真剣に看護という仕事に取り組んでいたんだろうな、と思いました。
よく、『希望配属と違ったから。今の業務は面白くないから』
こんな理由で、転職する方も多いですが、今一度自分自身のキャリアを長い目で見てみるのはいかがでしょうか?
きっと、役に立たない経験や知識なんてないと思います。
皆さんの無駄な転職が一つでも減らすための参考にしていただけると、幸いです。(関連記事/転職するなら今より条件のいい会社。「いい会社」って何だろう?)
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≪今回のコラム寄稿者≫
Ken/看護師専門FP
前職では、1000人以上の看護師の転職をサポート。
関西〜関東まで500法人以上の採用に関与し、医療機関の内部情報に精通。現在では、医療従事者専門ファイナンシャルプランナーとして活動。
仕事とお金の両面から、キャリア支援ができる業界に稀有な存在で、看護学生からの就活相談も絶えない。
スイーツが大好き、なにげに妻も看護師のアラサー。
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