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求職者の尊厳。

《人間は尊厳を有している。人間は決して目的のために手段にされてはならない》

 

近代哲学の祖とも言われる、偉大な哲学者イマヌエル・カントはそのような言葉を残しています。

 

これ、求職者様に置き換えると。

 

その人その人に人生がありますよね？

 

一人一人が人生の主役であり、尊重されるべき大切な存在なはず。（関連記事/もっと素晴らしいはずの自分を探すための転職。）

 

そういった存在を、自分の目的を達成するための単なる手段にしちゃいけないよ、、というのがカントのいう道徳心。

 

そして、この道徳心は人に教えられて後天的に理解するものではなく、アプリオリ（先天的）に人間には備わっているものであると。そういった理性があるからこそ、人間には尊厳があると言えるのだと、、と。

 

※カントの論文はとてつもなく難解ですが、要するに理性をもって、普遍的なルールに従って正しく生きるために自分を律することこそ大事だと説いております。（大学では哲学倫理学を専攻していましたので、カントも勉強しましたが、ザックリすぎてロジック間違っていたらスミマセン！雰囲気だけでも伝われば・・）

会社としての利益追及。

さて、世の中には星の数ほどの会社があります。

 

その中には、看護師さんの転職をサポートする紹介会社もたくさんあります。（関連記事/乱立する看護師の転職サイト。ところで、看護師の転職サイトはどこまでアテにできるの？）

 

ここ10年でその会社の数は右肩上がり。

 

SHERPAに転職相談に来られた看護師様に、質問することがあります。

 

『いっぱい他にも紹介会社や転職サイトがあるのに、なぜ、わざわざ弊社に転職相談に来られたのですか？広告もかけてないし、全くの無名ですし、何で知ってもらったのですか？（笑)』と。

 

かなりの割合で以下のことを言われます。

 

『他紹介会社を使ったことがあるけど、たくさん面接行きましょう！と、とにかくゴリ押しが多い。自分の希望と全然違う求人なのに、ここはすごく人気です、働きやすいです！の一点張りで、こちらの話を聞いてもらってる気がしなくてなんか怖くて・・・でも、職場の同僚に相談したらSHERPAさんがイイと聞きまして、、、』という声が多いです。

 

（ちなみに、最近はTwitterを見た！という人も多いです！ありがとうございます！）

 

ハッキリ言っちゃうと、紹介会社として売上のためのゴリ押しが求職者様にもバレバレなんですよね。(笑)

 

業界内でも噂はすぐに広まりますから、悪どい手法でやってるところもよく聞きます。（関連記事/看護師の転職サイトにおける、おとり広告、ダミー求人について一言、二言。）

 

もちろん、会社ってのは利益を追及する組織ですから、売上を追うことは悪いことではないと思いますし、利益体質の会社はカッコいいし、素晴らしいです。

 

でも、求職者様の人生の目的を聞かず、希望とは全く違う求人を紹介し、求職者様を自社の利益という目的達成のための手段にするということは、さすがに倫理的にどうなの？？とカントがキャリアアドバイザーなら思うでしょうね。 (笑)

 

カント的に言えば、求職者様の目的を達成するためにサポートを行い、その結果として会社の利益になる、ということが理性ある会社であると言えます。

会社の理念。

さて、私が哲学倫理学や、ビジネスエシックスを学生時代に貪っていたこともあってか、堅苦しい倫理観や、社会人としてのマナーにうるさい、、という社内文化が若干ですが漂っています。

 

しかし、これは悪どい紹介会社に対して毅然と接するということに留まらず、自分の目的達成のために他人を手段としか見ないような求職者様にも毅然に接するということを意味します。

 

わかりやすくいうと、労働意欲もなく、協調性もないのに、高待遇だけは要望して転職活動をするような人です。

 

そして法人様に対しても同じ。

 

労働者を使い捨ての駒のように扱う法人には、いくら求人依頼があっても一緒に仕事をしたいと思いません。

 

『転職して良かった！』と求職者様から心から思っていただけると同時に、『採用して良かった！』と心から法人様から思っていただくことは、この仕事の醍醐味でもあると思います。（関連記事/『転職してよかった』と言ってもらえた2年目看護師様の事例。)

 

採用もね、組織論の観点から構築したり、アドバイスできるのはなかなかエキサイティングなんですよ。

 

双方ともに心から喜んでいただけるとなると、実はこの仕事は簡単ではなく、めちゃくちゃ難しいものなのかもしれないですね。何年やってても難しいと感じてしまいます。（そう思ってるからヘタクソなのかもしれませんね。。。）

 

てことで、日々勉強です。(関連記事/求職者と法人、どっちが大事？）

 

転職のこと、キャリアのことで、お悩みであればSHERPAまでご相談ください。

 

 

≪今回のコラム寄稿者≫
YU/SHERPA代表コンサルタント

自動車、IT、美容、金融業界のマーケティングに
精通し、29歳で医療系人材業界へ。その後、独立。
戦略的な提案で法人と個人から信頼を得る、
日本でもレアなMBA/FP保有キャリアアドバイザー。
一男一女を持ち、学生から既婚者の悩みに
共感できる、パンケーキ好きのアラフォー。