人材紹介という仕事上、キャリアアドバイザーは求職者様と法人様とどちらを大事にする傾向があるんでしょうか?紹介会社によって、考え方や対応なども違うかと思いますが、弊社ではどのように考えているかお伝え致します。

転職は選択肢の1つ。
まず、SHERPAでは転職サイト!と名乗っておらず、キャリア支援サイト!と創業以来謳っているのですが、その理由についてお話しておきます。
転職というのはその理由を紐解けば、その人その人によって様々な事情があります。
お金の問題だったり、恋愛や結婚のことだったり、転居だったり、妊活や婚活であったり、職場での人間関係であったり、全然違ったジャンルの仕事をしたいと思うことだったり、親や親族の介護だったり、留学だったり、リフレッシュだったり、など。
十人十色。千差万別。
そして、その人が抱える悩みだったり、希望をしっかりと聞いていくと『それって転職しなくてもいいんじゃない?』って思うことも、多々あります。
そういった時に、
無理に転職という選択肢を選んでもらうのではなく、あくまで転職は選択肢の1つとして、様々な選択肢の中からベストな答えが出るよう、より良いキャリアを形成していってもらいたいという願いを持っております。
なので、転職を希望されていたとしても、今の職場に残ったほうがいいのでは?と思う時は、まずは率直な意見としてそのようにお伝えしております。そういった意見を、感謝いただくことも多いです。(上司とたまたまケンカした時の感情論で転職してやる!というモードになっている場合も多いので、とりあえず頭冷やしてから考えたら?というパターンは本当に多いです)
他紹介会社は星の数ほどあると思いますが、
おそらく具体的に求人提案するまでは、SHERPAは業界イチ遅いかもしれません。(関連記事/転職サイトを使う時に、面談をする派?しない派?)
転職はリスクを伴いますし、最終的にはその人の人生なわけですから、ご自身で納得のいくよう意思決定をできるように時間を取っています。あーだこーだとキャリアアドバイザーが強引に進めていてはお互いシンドイのです。
(関連記事/転職サイトに登録すると、電話がしつこいってホント?)
あくまで、
ご本人が自分で意思決定をしていき、転職について具体的に方向性やゴールが見えた時には、スピード感を一緒に上げていき、伴走します。ここからはさすがに速いです。 (笑)
そして、転職するからには、
『転職して人間関係が良くなりました!』
『転職してから自分の時間もできて結婚できた!』
『転職してから、夜勤もなくなり妊娠した!』
『残業もなく、家族と晩御飯を食べる時間が増えた!』
というハッピーな声を聞けるよう尽力します。
(関連記事/平成最後となる2019年4月に就職・転職された求職者様からの、嬉しいメッセージをご紹介!)
求職者様へのスタンスとしては、そんな感じをイメージしてもらったら幸いです。
どれだけ親身になっていても。
ただ、年に2-3回ですが、求職者様に
『もっと寄り添ってほしい』『なぜ、気持ちをわかってくれないんですか?』
というような事を言われる場合があります。(言われるのがそれだけであって、口に出さず思っている方はもっといるかもしれませんね。。)
これはどんな時に言われるか、、ですが、
大抵の場合は、求職者様が自分を採用することになる法人サイドの気持ちや考えを全く理解していない時です。この場合、衝突が起こります。
さて。ここで弊社が法人様に対して、どのようなスタンスかをお話しておきます。
結論を言うと、求職者様と全く同じです。
『この人を採用して良かった!』『〇〇さんに来てもらってから本当に助かってる!』
などなど、そういったことを言ってもらうために、全力を尽くします。
(関連記事/採用の現場で議論。「人材」と「人員」の違いについて。)
求職者様が、『ブラックな会社は嫌だ!』『人間関係が悪い職場は嫌だ!』と言うのと全く同じで『ブラックな求職者は嫌だ!』『職場の人間関係を荒らすような人は嫌だ!』と法人サイドも思います。
求職者様と法人様とどっちが大事?の結論を言うと『求職者様も法人様もどっちも大事。スタンスとしては、完全に中立』が答えになります。
これは変わることはありません。
スタンスは変わらない。
求職者様にとっては転職が人生の転機になるかもしれないのに、求人先のことも詳しく調べずに『この求人は残業も全くなくて、人間関係も最高で、給料もどんどん上がっていきますよ』なんて、テキトーな嘘をついて、ゴリゴリ営業トークをすることなんてできません。(関連記事/ちなみに、看護師の転職サイトを紹介会社って、売上ノルマがあると思いますか??)
また逆も然り。
勤労意欲もない、国家資格を持っているだけで責任感もない、何かあれば人のせいにして人間関係を悪化させ、キャリアアドバイザーとまともにコミュニケーションすら取れない、自分の希望や条件だけを通そうとするような求職者様を、大事な大事な採用の局面にさしかかっている法人様に『この求職者様は、御社第一希望です。自信を持ってご紹介します。他の面接は受けてません。定年までバリバリ働きたいと言ってます!』なんて、営業トークは口が裂けてもできません。(このスタンスは法人様にもしっかり伝えますが、非常に喜んでいただくことが多いです。他社とは違い、理解が深いと。だからこそ、何かあった時には御社にのみ求人依頼を出します、、という法人様も少なくありません。)
さて、だいぶ弊社のスタンスはイメージできましたでしょうか?
求職者様にとって厳しいと思いますか?
年に2-3回、『もっと自分に寄り添ってほしい』『なぜ、私の気持ちをわかってくれないんですか?』というようなことを言われるのは、
弊社が中立のスタンスにいることをご理解いただけないケースなのです。
『なぜ、そんなに法人の立場に立つんですか?』と。クレームのごとく、言われますからね(笑)
でも、
スタンスを変えるつもりは1ミリもございません。
採用する側の考えや事情を、キャリアアドバイザーがちゃんとわかってないと、そもそもの求人内容を本当の意味で理解できないし、情報を整理することができないと思います。そんな中途半端な情報だけで、求職者様にサポートできるわけがない、と。本気でそう思ってます。条件だけで仕事探しているなら、ネットで探して自分で問い合わせたらいいんですから。
これは逆も然り。
求職者様の気持ちや事情がわかってないと、その人のキャリアにとって本当に良い求人のご紹介はできないと思ってます。(関連記事/信頼できるキャリアアドバイザーは、あなたの隣にいますか?)
まあ、求職者様に厳しいことを言う時もありますが、法人様にも同じように当たり前のことは当たり前のように言わせてもらっております。
どうしても人を採用しないといけないという状況になり、求人依頼の問い合わせを先方から弊社にしてきているにも関わらず、求人内容を細かく確認しようとすると『ハローワークに出してるからそれ見といて・・・』『今、忙しいし、ホームページに募集要項載せてるし、それ見といて』と言われるケースが多々あります。
そんな時は、こう言わせてもらっております。
『ハローワークに出してても応募がないから困ってるんでしょ?』
『ホームページ見ても、誰も応募してこないから連絡してきてるんじゃないんですか?』
まさか、こんなカウンターが飛んでくると思ってなかったんでしょうね。ほぼすべての担当者はグゥの音も出ないような感じで、シドロモドロになります。こんなことを言えちゃうのは、たいてい雇われの人事担当者です。経営者やオーナーであれば、人件費や広告費についてもコスト意識がある程度はあるため、こんなアホなことは言いません。人事あるあるですが、鼻につく人事担当者もけっこういますよ。(笑)
まあ、弊社に対して『偉そうなこと言いやがって!紹介会社なんて他にもたくさんあるし、そっちに連絡するわ!』と心の中で思われているかもしれません。
大事なことなので、補足しておきますが、弊社から求人依頼いただけませんか?と連絡したわけではありませんよ?先方から、数ある紹介会社の中から弊社をピックアップして、わざわざ求人依頼をくれているので、お力になりたくて詳細をお伺いしようとすると、面倒臭そうにテキトーな対応されるわけです。そんな対応されて、求職者様を紹介して決まってくれるなら良いんですけどね。残念ながらそんなことはほぼないんですよ。
※良い意味で、すごい人事担当者もやっぱり存在します。そんな時は、面接の場合でもお金払ってでも毎回同席させてもらいたいぐらい勉強になりますが。。
採用は、求職者の人生を変えることになるかもしれないし、今いる既存の社員に影響が出るかもしれないんです。そんな大事な採用を舐めている人事担当者には厳しく対応させてもらっております。
ってことで、求職者様と法人様に対するスタンスのお話でした。
単なる条件マッチングだけだと、ミスマッチが発生しやすいので、しっかりと双方のお話を聞いたうえで、円滑に、そしてミスマッチを少なくしていきたいと思っています。
≪今回のコラム寄稿者≫
YU/SHERPA代表コンサルタント
自動車、IT、美容、金融業界のマーケティングに
精通し、29歳で医療系人材業界へ。その後、独立。
戦略的な提案で法人と個人から信頼を得る、
日本でもレアなMBA/FP保有キャリアアドバイザー。
一男一女を持ち、学生から既婚者の悩みに
共感できる、パンケーキ好きのアラフォー。