日々、転職相談をいただくのですが、異口同音に聞くのが「情報収集したい」という言葉。数多くの転職相談に乗ってきましたが、情報収集という言葉を使う人ほど、結局は転職できない、苦戦するという傾向になります。その理由について・・・
情報収集と情報処理の違い。
いい求人があれば転職したい。そのために情報収集をしておきたい。
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このようにご自身の転職活動の状況を捉えて、転職活動をしている(しているつもり)の方が非常に多いな、、というのはこの仕事をしていると、本当に多いなと常日頃から感じます。そういった人は、ほぼ苦戦しています。
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でも、いい求人って何?
何をもっていい求人とするかは、人それぞれですよね?
年収をとにかく大事にする人もいれば、年間休日の多さや、残業の少なさを大事にする人もいる。
人間関係がとにかく良くて、コミュニケーション能力に自信がなくても、スキルや経験がなくても、優しい人がいっぱいいて、困ったらいつでも助けてくれる環境を大事にする人もいる。
はい、本当に人それぞれなんです。で、全てパーフェクトに揃うことなんてまずないでしょう。
自分自身が転職するとしたら”何を叶えるため”に、今の環境を捨てて、転職するのか。
優先順位をしっかりとつけて、何が叶えば転職が成功と言えるのか。言語化できますか?深く考えたことはありますか?(関連記事/やりたいことがわからない、という看護師様へ。)
それができれば、情報収集をしていく中で、どんな情報が自分にとって有益なのかが、明確にわかると思います。
情報処理できないと意味がない。
ここでわかりやすい事例を出してみます。
1560年。桶狭間の戦い。これは日本史で習ったかと思います。
尾張の戦国武将だった織田信長を、一躍メジャーに押し上げた、日本史の中でも”最も有名なジャイアンキリング”です。
諸説ありますが、当時の日本で最も天下統一に近かったと言われる今川義元率いる2.5万人の軍勢に対し、織田軍は4千人。5-6倍以上の兵力の差があり、京に向けて進軍中だった今川軍と、織田軍が尾張で衝突。織田信長は、まさに絶体絶命です。
様々な情報戦が繰り広げられたそうですが、2.5万人に真っ向からぶつかっては敗戦が濃厚なため、今川義元がいる本陣がどこにいるのか?という情報を収集し、それが分かった途端に、自軍の兵力を集中させ、一気に奇襲を仕掛け、絶対的に不利な戦に勝ったというものです。
桶狭間の戦いで、織田信長が勝てた要因は、何かいい情報はないか?と曖昧な”情報収集”をしていたからではありません。
勝つために、どんな情報が必要で、どんな行動が必要かをしっかり考えて決めていたからです。
今川義元がどこにいるのか?という情報がなぜ自軍にとって大事なのか?それが分かった瞬間にどんな行動をすれば勝てると思ったのか?
結局は、”情報処理”なんですよ。これは、転職においても、全く同じです。
情報処理するための情報収集。
さて、転職活動に置き換えてみましょう。
今、どんなことに悩んでいて転職を考えているのか。
何がどうなれば、もっと幸せな人生になるのか。そのために何が変わればよいのか。
まずはそういったことをしっかりと言語化・整理することが必要だと思います。
そういったことも曖昧なまま、とにかく今よりも休みが多くて、給料も多くて、人間関係もいいところ。という抽象度の高い、誰もがそう思うよね、、という願望だけを頼りに、情報収集してもうまくいくはずがありません。
何を食べたら美味しいか、何を提供したいかも決まってないのに、『良い食材を収集しています・・いい食材の情報があれば教えてください・・・』なんて人が、良い食材を手に入れたとしても、良い料理ができるわけがないとは誰もがわかるはずですが。。そもそも手に入れた食材が良いか悪いかも、判断できないでしょう。
転職となれば、本当にこれはよくやりがちなことであります。
情報収集の前にもっと大事なことがあるはずですから、それをまずはしっかりと考えましょう。
とはいえ、なかなか難しいことも、自分自身も経験しているからこそ苦しい悩みは理解できます。ぜひ、そういったことについて、詳しくお話を聞かせてほしいなと思います。情報収集の前にやるべきことの、サポートについては少しでもお役に立てればと思います。
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そして、情報処理の準備ができた方には、情報提供をしたいと思います。
≪今回のコラム寄稿者≫
YU/SHERPA代表コンサルタント
自動車、IT、美容、金融業界のマーケティングに
精通し、29歳で医療系人材業界へ。その後、独立。
戦略的な提案で法人と個人から信頼を得る、
日本でもレアなMBA/FP保有キャリアアドバイザー。
一男一女を持ち、学生から既婚者の悩みに
共感できる、パンケーキ好きのアラフォー。
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